日々のこと

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最近読んだ本 「リーダーの作法 ―ささいなことをていねいに」

最近読んだ本について書きます。
ここ2ヶ月くらい、技術に絡んだエッセイのようなものをなんとなくたてつづけに読んでいて、その感想です。

リーダーの作法 ―ささいなことをていねいに

www.oreilly.co.jp

ここ最近「リーダー」という立場で仕事をしていたわけではないのですが、リーダーでなくてもリーダーシップが必要な局面はけっこうあるなあ、となんとなく思っていたところにTwitterで本のタイトルを見かけて気になっていました。
「ささいなことをていねいに」という副題もいいなと思っていました。
リーダーが実践すべきささいなプラクティス、エッセンスが30編の文章でまとめられていました。

著者は、Netscapeでマネージャー、Appleでディレクター、Slackでエグゼクティブを経験した方(すごい経歴)で、それぞれの立場ごとに文章が綴られています。気になったところを拾い読みするのもたのしいかも。

気になった章はこのあたりでした。

5章 虫の知らせ

虫の知らせとは、反射的に働く知恵のこと。
予想外の離職者が出てしまっていたとき、「虫の知らせ」というスプレッドシートを作成し、仲間について何か違和感を感じたら理由は書いても書かなくてもいいからスプレッドシートに追加してほしい、と伝え、名前が追加された社員の大半は危険な兆候を示しはじめていて、早めに手を打つことで最悪の事態を避けられたという話が載っていました。スプレッドシートに追加された理由の中には「何かが起きているが、それが何なのかわからない」というものがあったとのこと。
何が起きているかわからなくても、何かが起きていることは感知できて、それに対して行動していくということ、なるほどなあと思いました。

8章 ランズおすすめの時間節約術

時間を節約するための習慣が書かれてました。
ブラウザ、スマホ、電子メールの整理について。たとえば・・・

  • ブラウザのブックマークのバックアップを取ってからブックマークを全部削除し、何日かかけて記憶を頼りにブックマークを作り直していく
  • ニュースやブログなど日々目を通すものはブックマークではなくフィードリーダーに入れておく
  • ブラウザのタブ操作のショートカットを覚える
  • スマホの重要でない通知は全てオフにする
  • スマホで最近使ってないアプリを削除する
  • 電子メールで読みたくないメールは配信停したりスパムとしてマークする etc

そうやって節約した自分の時間を適切に使うことの重要さ。必要なものだけがすぐ取り出せる状態になりそうで、真似したくなりました。
前職で、大量にチームに来るメールを不要なものどんどん配信停止にしていたことを思い出しました。
個人の読まないメールも、どんどん配信停止にしていきたい・・・。

10章 青テープリスト

著者が家のリフォームをしたとき、施工業者から気になる箇所があったら青テープでマークしてください、青テープが貼ってあるものはすべて直します、といわれたという話がこの章のタイトルの由来です。
仕事の場面では、新しい環境(転職など)で、違和感のあるものをリストアップし、1ヶ月くらい待ってからすべてに対処してください、とありました。
1ヶ月経ってから青テープリストを見直してみると、緊急性が高いと思っていたことがまったく重要でなくなっていたりする、とありました。1ヶ月くらい経ってそれでも違和感が残っている青テープのリストは対処すべきもの、という理解をしました。

15章 手厳しいことを言う

フィードバックを求めるのには信頼関係が必要で、信頼関係を築くには時間がかかる、ということが書いてありました。 1on1 のたびに「何か私に伝えたいことがあるか」というフィードバックの求めをするそうです。すると、何回か回数を重ねてやっとフィードバックをもらうことができたそうです。
フィードバックは贈り物で、フィードバックに耳を傾け、それを行動に移す人間だと理解してもらうと信頼関係が築かれ、もっと大きな重要なフィードバックをもらうことができるようになっていく、という話が書かれていたと思います。
この章は「手厳しいことを言う」というより、「手厳しいことを積極的に聞く」つまり、フィードバックを受けることについて書いてあると思いました。
耳の痛いフィードバックも感情的にならずに受け止め傾聴し、それを行動に移していくことは信頼関係を築く基礎になるなあと思いました。

25章 コバヤシマルのマネジメント

抽象的なストーリーで、読み始めは掴みどころがなかったのですが読み進めていくと興味深い内容でした。
通常以上に複雑で一見勝ち目のないシナリオ(文章中で「コバヤシマル」と表現されているシナリオ)の中で適切に行動することはマネージャーの大切な仕事ですが、それ以上にもっといいのは、そもそもそのような状況に陥らないようにすること、とありました。
プロジェクトが炎上してそれを鎮圧するとヒーローになれるけど、未然に防ぐことができるとヒーローにはならないけれどそれが一番いい、というようなお話に似ているなと思いました。


ここに挙げた以外の章でも、いろいろ気になるところはあったのですが、きりがないのでこのくらいに。

ほかに、「ハッカーと画家」「聞く技術 聞いてもらう技術」といった本も最近読んだので、別記事で感想書いていこうかと思います。
小さな隙間時間ができたときに少しずつ読み進められるような読みものはいいですね。